研究開発体制

  • 「貼る」のさらに先へ。
    開発しているのはラベルの未来です

    ラベルで社会はより良い方向に変えられる、私たちはそう信じています。

  • ウエットティッシュ用ラベル素材しっとりした開け心地で繰り返し貼れる

    バランスのとれた粘着力が「しっかり貼付する」のに「しっとり剥がせる」を可能にしました。

  • 高平滑グラシン剥離紙使用ラベル素材ポリエチレンラミネート加工なしでもきれいで滑らか

    見た目の美しさだけでなく、ラベル素材全体が環境に配慮した設計になっている点も強みです。

  • ホットメルト粘着剤使用ラベル素材ラベル製造・廃棄時のCO2排出量を約25%削減

    リンテックが目指すCO2排出量50%以上削減に貢献する強力な製品と期待されています。

  • モノマテリアルラベル素材PET製容器とのモノマテリアル化を実現

    リサイクル効率化の鍵は、容器との単一素材化と洗浄工程でのインク除去機能付与にありました。

SUCCESS STORY

持続可能な社会に向けて
「PLALESS」で踏み出す大きな一歩

「PLALESS(プラレス)」は脱プラスチック需要に対応するべく開発した新ブランド。
リンテック独自の特殊紙製造技術と粘着応用技術を融合させることで生まれました。しかし一言で「融合」といっても、そう簡単に進まないのが研究所の常。開発までの道のりは平坦ではなかったようです。

  • 瀬戸彩佳

    粘着材料研究室

    瀬戸彩佳

    2019年入社。製品化につながる研究チームへの参加は「PLALESS」が初めてだったものの、その前向きな仕事ぶりは先輩である鈴木氏が太鼓判を押すほど。初参加の感想は「達成感があった」。
  • 鈴木伸哉

    粘着材料研究室

    鈴木伸哉

    2006年入社。「PLALESS」の開発では人一倍大変な立場だったが、「また新しいラベル素材の開発に携わりたいか」の問いには「もちろん」と即答。「PLALESS」の今後のビジョンについて誰よりも熱く語る。
  • 鉄本卓也

    技術・開発室

    鉄本卓也

    1999年入社。20年間粘着材料研究室で研究員として勤務後、2019年に営業部署へ異動。研究員として培った豊富な経験は、今お客様と研究員をつなぐ架け橋として活かされている。

※掲載内容は取材時点のものになります

きっかけは
「脱プラ」を求める市場ニーズ

鉄本

鉄本

環境対応性能のニーズが高まってきたのは2018年頃。この年の1月に中国へ資源ごみを輸出できなくなったことや、2019年に開催されたG20大阪サミットで海洋プラスチックごみ問題が主要議題の一つになったことがきっかけになったのだと思います。

鈴木

鈴木

この流れを受け、2019年後半からブランドオーナーやメーカーが環境に対する取り組みを打ち出し始めました。当時、市場ではさまざまな形でプラスチックフィルムを使用したラベル素材が使われていましたから、このままでは私たちの材料が使われなくなると危機感を覚えました。

瀬戸

瀬戸

世の中の流れをキャッチしてからの対応が早かったですね。すぐに研究・開発チームが集められ、リンテックとして“脱プラスチック”への取り組みが始まりました。お客様から「欲しい」とオーダーをいただく前に「PLALESS」シリーズを上市できたのは、あのスピードがあってのことだったと思います。

耐水性に優れた
「耐洗紙」がベースに

鉄本

鉄本

リンテックには脱プラを実現するうえで強い武器がありました。それがクリーニングタグに使われている「耐洗紙」。この紙の製造技術を応用すれば、耐久性や耐水性を備えたラベルができるのではと見立てがあったうえで開発はスタートしました。

鈴木

ただ耐洗紙というベースになる技術があったとはいえ、すぐにラベル素材として使えるかというとそれは別問題。実際はかなり苦労しました。

印刷性の向上が
プラレス開発の鍵

鈴木

鈴木

とくに苦労したのが印刷性の向上です。フィルムの場合、平滑な素材ですから印刷した際、インクがきれいにしっかり乗ります。対して紙は表面がデコボコしているため、インクの乗りが浅かったり、ムラができてしまいます。

鉄本

鉄本

確かに、試作品が出たのは比較的早かったものの、印刷性を高めるための平滑性とコーディング処方の調整はかなり大変そうでしたね。試作品は3、4回作ったような覚えがあります。

鈴木

鈴木

紙の製造を担当していた熊谷工場に紙をプレスする工程や印刷用コーティング剤の微調整などさまざまなな条件をテストしていただきました。熊谷工場の担当者には大変苦労していただきましたし、とても感謝しています。「PLALESS」の開発では、実際に紙の製造工程を担う熊谷工場に知見があった点、そして工場と研究所がうまく連携が取れていた点がプラスに働いたと感じています。

環境負荷低減のため
バイオマス粘着剤を選定

瀬戸

瀬戸

私は粘着剤の設計がひとつの壁でした。シャンプーボトルなどにラベルが貼られるケースを想定すると、ある程度の耐水性や強度が必要。ただ今回は粘着剤にも環境対応が求められていたので、この強度と環境対応の両立には苦労しました。

鈴木

鈴木

瀬戸さんは開発当時、入社一年目だったのにベテランのような働きぶりを見せていました。考えていたより早く開発することができたのも、瀬戸さんの頑張りがあったからだと思います。

瀬戸

瀬戸

試作ラベルを貼って水につけたり、濡れた状態でこすったり、濡れた状態で紙の強度を測ったり、来る日も来る日も試験を繰り返していました。製品になると分かっている研究を任せていただいたのは初めてのこと。「何とか形にしないと」ともう必死でした。

「こういうラベルを待っていた」
の声

鈴木

鈴木

最終的にラベル素材の粘着剤層として一般社団法人日本有機資源協会の「バイオマスマーク」認定も取得。表面基材はもちろん、粘着剤も剥離紙も環境に配慮した、他にないラベル「PLALESS」を、開発から半年ほどで上市することができました。

鉄本

鉄本

二人の努力が実り、お客様の反応も上々。「こういうラベル素材を待っていた」と言っていただけることが多くなりました。耐水性に優れた紙基材のラベルは他にもありますが、印刷性まで優れている製品はなかなかありませんから。

瀬戸

瀬戸

厚みも変えられますし、セロハンを重ねて意匠性を高めることもできます。また紙であることが生活者に伝わるよう、紙の風合いを活かすことも可能。バリエーションの幅が広いので、さまざまなお客様のニーズに応えられると思います。

環境性能はさらに
高めていくことができる

鈴木

鈴木

私自身、環境性能はさらに高められると考えていて、現在、製造工程において有機溶剤を使用しないような素材を開発中です。一言で「環境対応」と言っても、脱プラだったり、リサイクル性だったり、お客様によってアプローチの仕方はそれぞれ。研究員としてはそれぞれのビジョンに的確な製品で応えられるよう、「PLALESS」シリーズのバリエーションを増やしていきたいです。

鉄本

鉄本

水に濡れてもきれいに剥がすことができる再剥離ラベルがあっても面白そう。アイデアがどんどん広がりますね。

瀬戸

瀬戸

「PLALESS」自体、もともとあった耐洗紙の技術を粘着技術と融合させることで生まれたラベル素材です。当社の研究所には他にもこれまで蓄積された膨大な量の知識と技術があります。それらをうまく組み合わせれば、「PLALESS」のような新時代のラベル素材が、これからどんどん生まれるかもしれません。

SUCCESS STORY

品番検索・技術資料

品番検索・技術資料

印刷用粘着紙と印刷用粘着フィルム、可変情報印字用ラベル素材のラインアップをシリーズごとにご紹介しています。各製品の基材色や、粘着剤のタイプなどをご確認いただけます。

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